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ROUND -8 2016 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINAL
序章
 11月11日、栃木県・ツインリンクもてぎにおいて開幕したSUPER GT「MOTEGI GT GRAND FINAL」。最終日となる13日には、シリーズ最終戦となる第8戦が行われた。TEAM KUNIMITSUのNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは14番手からスタート。セッティングの方向性が改善され、つねに攻めの姿勢を貫く走りを披露する。抜きどころの少ないもてぎゆえ、惜しくも12位でのチェッカーとなったが、タフな戦いを完走で締めくくっている。

 前日の第3戦は予選4番手スタートから表彰台の可能性を求めてスタートを切るも、終始タイヤのピックアップに悩まされ、まさかの10位に終わったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。日曜日の決戦は搭載してきたウェイトを降ろしてのガチンコ勝負となるだけに、是が非でも手応えある戦いをしたいところだ。

一方で、ノーウェイト状態のクルマを走らせるのは、開幕戦以来。金曜日の公式練習はあいにくのレインコンディションだったため、この一戦はぶっつけ本番でのパフォーマンスとなる。また、前日の第3戦予選はウェットタイヤでのアタックだったが、今回は完全なドライコンディション。もてぎ大会初となるスリックタイヤでのアタックに、注目が集まった。


予選:
 前日同様に好天気の朝を迎えたツインリンクもてぎ。青空が広がる中、午前9時5分にGT500の予選がスタートした。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのステアリングを握ったのは、伊沢拓也選手。 気温14度(終了時)、路面温度18度(終了時)というコンディションの中、ソフトコンパウンドのタイヤを装着してコースインした伊沢選手。決勝でもこのタイヤを装着してスタートを切るレギュレーションのため、効率の良いアタックが求められる。タイヤを温め、アタックラップに入った伊沢選手は4周目に1分38秒243をマーク。さらにラストアタックで自己ベストを更新し、1分38秒114へとタイムアップ。14番手からのスタートが決定する。

予選を終えた伊沢選手は、「うまくタイムが出せなかったですね」と硬い表情を見せる。「アタックのタイミングが悪かったわけでもなく、また、自分自身のアタック自体に何かあったわけでもなく、キチンとアタックすることができたんです。フィーリングも悪くはありません でした。ところが、タイムが出ない状況だったというか、タイムアップするポイントをうまく引き出せなくて…」と悔しさをにじませる。一方、決勝に向けては、決勝でのタイヤのピックアップも懸念材料だとした上で、「昨日みたいなことにならないよう、ピックアップが出たとしても、少し我慢して走れるくらいのペースが出せればいいなと思います。とにかく、何かしら手を打たないとさらに厳しいレースになると思うので、しっかり準備したいですね」と前を向いた。


決勝
 前日、2万3千人を超える観客が集まったもてぎ。最終日にはそれを超える3万6千人が詰めかけ、最終決戦の行方を見守ることになった。決勝を前にしたピットウォークにも多くのファンが参加。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのピットも賑わいを見せた。

午後1時30分、53周・250kmに渡るシーズン最後の戦いが幕を開ける。気温21度、路面温度25度とレースウィーク一番の暖かさとなる中、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTに伊沢選手が乗り込み、スタートが切られた。

ノーウェイトのGTマシンが一斉にバトルを開始、ストップ&ゴーのもてぎのコースはたちまちトラフィックが激しくなり、丁々発止の状態に。テール・トゥ・ノーズになっても逆転するのが難しいという、ドライバーにとってはストレスの溜まる過酷な戦いが続き、ほとんどの車両がポジションキープのまま周回を重ねた前半、19周を終えて3台の車両がルーティンワークのためにピットイン。これを機にピットインするチームが現れ、ポジションアップのチャンスが到来する。

No.100RAYBRIGNSXCONCEPT-GTも21周終わりでピットイン。後半の周回数が多くなることから、チームでは硬めのタイヤを選択。セカンドスティントを担当する山本尚貴選手がコースへと向かった。ルーティンワークを先延ばしにしたチームがタイヤ無交換作戦を執ったことから、最終的にポジションが落ち着くまでに周回を重ねることになったが、山本選手は13番手で走行を続け、まずは前の前にいる同じNSXの15号車を追走する。

その後、膠着状態が続く中、15号車がマシントラブルでピットイン。これでNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは12位となり、またもNSXの17号車を追うことになるが、その差は10秒以上と大きいものだった。しかし、その中でも山本選手はコンスタントなタイムを刻みつつ、つねに戦闘態勢の走りを披露。12位でフィニッシュラインを通過し、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの長く厳しい戦いを走破した。

なお、今大会中には2017年 GT500クラスの新型車両発表会が開催され、Honda NSX-GTの開発車両展示がお披露目された。コーナリングスピードの低減という点から、現行車両からダウンフォースは約25%低減されるという。新たな車両での戦いを迎える2017年シリーズ。TEAM KUNIMITSUにとっても心機一転、あらためて頂上を目指す戦いに挑むことになる。


高橋国光総監督
今シーズン最後のSUPER GT戦において最後まで戦い抜き、チェッカーを受けたということは事実ではありますが、本当に苦しいシーズンを過ごすことになりました。ただ、その中で、チームドライバーである山本尚貴、伊沢拓也両選手はつねに一生懸命戦う姿勢を見せてくれたと思います。山本選手は攻めの姿勢を、そして伊沢選手は時に悩みながらもその中からしっかりと課題に取り組んでいる強い気持ちを感じ取ることができました。ふたりとも、必ずや来シーズンこそ!という思いがあるでしょう。第8戦の戦いでは、結果こそ残せませんでしたが、チーム全員がやるべきことを見つけて最後までがんばってくれました。そういうスタッフと、また来シーズンも一緒に仕事をし、チームをサポートしてくださる方々、ファンの皆さんのご声援に応えられるよう、しっかりと戦いたいと思います。最後になりましたが、今シーズンも応援してくださりお礼申し上げます。




山本尚貴選手
ポジションだけ見れば不本意な決勝結果になりました。悔しさしかないですが、ただ土曜日のレースよりもペースが良かったので、伊沢選手とは違うタイヤを入れて後半を走りました。この週末で初めて装着したのですが、それが良かったのか、後半の状況が良かったのか、クルマのセットが良かったのか、走り方が良かったのか、正直何が良かったのか明確なものはわかりませんが、フィーリングもラップタイムも良く、土曜日のレースよりはずいぶんといい状態でした。タイヤのピックアップはありましたが、がんばって取るようにして走りました。そういう意味では、気持ち的にはなんだかすっきりした部分もあります。 

シリーズ戦を振り返ると、今年1年間は積み重ねが通用せずに苦しかったですね。これまでは、悪いなりに方向性を見出して次に良くしていく、という積み重ねができたのですが、それができず、さらにタイヤのピックアップもつねにあって…。レースごとに良くなる感じがしなかったというか、それが通用せず、チームとしても苦しい状況でした。でも、このままでは終われないし、もちろん来年に向けて色々と進んでいるものもあるので、もう気持ちは来年にシフトしています。オフシーズンのテストにしっかりと取り組み、開幕戦に向けてがんばります。


伊沢拓也選手
確かに土曜日のレースよりは、いい状態で走れたとは思います。ただ、決勝では、同じホンダ勢の中で少しだけ離されてしまったので、それは悔しいですね。そういう意味もあって、自分としてはうまくいった気持ちがしないですね。ただ、レースに向けてセットの方向性も見直したことがうまくいったのは、良かった。僕と違うタイヤを選んだ山本選手のペースも良かったようです。

今年1年、同じような流れでレースをすることになり、その点は情けないと感じています。つまらないレースばかりをお見せすることになってしまいました。今シーズン、チャンピオンを獲得したレクサスからすると、ホンダ陣営はもちろん、僕自身もしっかりと努力をしなきゃいけないと思っています。その覚悟をもってシーズンオフを迎え、来年に向けての準備を進めていきたいですね。




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