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ROUND -5 2016 AUTOBACS SUPER GT Round5 『FUJI GT300km RACE』
序章
8月6、7日に静岡県・富士スピードウェイにおいてSUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」が開催され、厳しい暑さの中で激戦を繰り広げた。前回、SUGOでは自力を存分に発揮する機会に恵まれず、悔しい思いをしたTEAM KUNIMITSUのNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTだが、今回は、逆風を跳ね返す奮闘を見せ、今季初となる3位表彰台の好結果を残している。

 第4戦SUGOから僅か2週間。極めて短いインターバルで迎えた第5戦の舞台は富士。今季2度目の決戦となる。タイヤメーカーテストなどでデータ収集もしているサーキットではあるが、季節的なことを考えても、レースウィークのコンディション次第で条件に見合った”戦闘パッケージ”を手にできるかどうか、まだまだ予断を許すことはできない。

予選日朝の公式練習では、1分30秒243のチームベストをマークし、11番手に。タイムこそ上位陣に食い込むことはできなかったが、ドライバーのインプレッションとしては、パッケージとして得られるフィーリングは決して悪くないとのこと。照りつける日差しが強く、予選では、さらに気温、路面温度とも上昇する可能性も高いことから、まずはじっくりとセットアップに取り組むことになった。


予選:


 朝のセッションで気になる点を微調整し、ノックアウト予選を迎えたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。いつもと変わりなく、山本尚貴選手がQ1に出走する。午前のセッション中にも気温がおよそ5度、路面 温度は10度超の上昇が見られたが、Q1開始時の気温は33度、路面温度は48度となり、タイヤへの負荷が一 層高くなった。満を持してコースインした山本選手は、計測3周目に自己ベストタイムをマークし、5番手 へ。だがこのアタック中、プリウスコーナーで勢い余って4輪脱輪を喫したことで、走路外走行扱いに。結 果、その翌周にマークしたセカンドベストタイムが採用され、1分29秒611で7番手となった。 前回のSUGOに続いてのQ2出走となった伊沢拓也選手。Q1時とほぼ変わらぬ気温、路面温度の中でアタッ クを開始した。伊沢選手も計測3周目でベストタイムをマーク、5番手につける。だが山本選手同様に、プリ ウスコーナーで4輪脱輪となり、タイムも1分29秒740のセカンドベストが公式タイム扱いに。結果、No. 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは7位で予選を終えることとなった。

「午前中よりも予選中のクルマのほうが良かったし、フィーリングもさらに良くなりました。 アタックではセクター3でミスがあり、そこから走行ラインが膨らみ、4輪脱輪してしまいました」と山本選手。 「とにかく今回はクルマのフィーリングがこれまで以上にいいので、明日は予選結果よりもいい順位で ゴールしたい」と意気込んだ。また、伊沢選手は「調子はSUGOほど良くなかったけれど、流れに乗れ た」とし、若干勢い余ったものの、自身満足のいくアタックができたと笑顔を見せた。そして、「今回も 日産勢が速いけれど、最後までうまく戦えれば、チャンスはある」と心強いコメントを残している。


決勝
 決勝日を迎えた富士は、前日同様の湿気が高く、厳しい暑さになった。午前9時からのフリー走行は、気温28度、路面温度36度の中、スタート。30分間のセッションで決勝をシミュレートし、山本選手から伊沢選手とつなぎ、様々な最終確認を行なった。結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは5番手のタイムとなる1分31秒288をマークしている。 午後に入り、ますます気温が上昇し、まさに真夏の一戦となった決勝レース。コンディションが厳しくなれば、荒れた展開になる可能性も出てくる。だが、それを逆手にポジションアップを期待することもできる。まずは、チームとしてミスなく順調な滑り出しを見せることが重要となった。

午後2時35分。パレードラップに続き、フォメーションラップを終えて66周のレースがスタート。3万3000人の観客が見守る中、No.100RAYBRIGNSXCONCEPT-GTのステアリングを握る山本選手は、早速、目の前の24号車GT-Rをパス、6番手でオープニングラップを終えた。さらに、3周目には同じNSX勢の15号車を逆転。次なる相手もまた17号車とNSX勢同士の争いとなった。しかし、バトルに持ち込むまでには至らず、追走を続ける。

そんな矢先、GT300車両が衝突した勢いで自車のボンネットをコース上に落としてしまうアクシデントが発生する。これを機にセーフティカーがコースイン。17周終わりから24周終わりまでレースがコントロールされた。リスタートは25周目。山本選手はこのタイミングをチャンスに、前の17号車へ急接近。4位へのポジションアップを成功させた。トップ3をGT-Rが独占する中、その背後につけることとなったNo.100RAYBRIGNSXCONCEPT-GT。さらなる逆転を目指し、チームはピットインのタイミングを熟考。背後にいた17号車のピットインを見届け、29周終了時にルーティンワークに入った。ドライバー交代、タイヤ交換、そしてガソリン補給と流れ作業に費やした時間は37.0秒。ライバルを出し抜く迅速な仕事が奏功し、GT500の全車両がルーティンワークを終えると、No.100RAYBRIGNSXCONCEPT-GTはトップ12号車GT-Rに次いで、暫定2番手で走行することになる。

レースは後半に入り、2位争いが激しさを増してくる。ドライバー交代後も17号車とのバトルは続行。49周~50周目のメインストレート、そして翌周も同じようなテール・トゥ・ノーズ、サイド・バイ・サイドのバトルを展開し、場内の雰囲気を盛り上げた。このバトルは惜しくも17号車に先行を許すことになったが、その後も2番手を視野に入れた走りを見せて、3位をキープ。加えて、その背後には1号車GT-Rが1秒を切って迫ってきたが、見事にシャットアウト。結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは3位でレースを終了。待ちわびた今季初の表彰台に上がっている。 次の第6戦は、夏の三連戦の最後を飾る伝統の「鈴鹿1000km」。SUPER GT最長の過酷な戦いではあるが、チームとしての総合力が着実に向上しているNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTとしては、この流れのまま、連戦での表彰台獲得へとチャレンジする。

高橋国光総監督
最高のレースでしたね。チャンスを確実にモノにする走りを見せてくれました。努力の結果、エンジンの信頼度、性能アップが実現し、その成果を高速サーキットの富士で見せることができて、本当に良かったです。前回のSUGO戦は、勝負できる戦いになると思いきや、トラブルに見舞われ結果を残すことができず、悔しい思いをしたんです。そのぶん今回の富士でその雪辱を果たすことになりました。ドライバー、スタッフ、Hondaのみなさん、みんなの力が集結し、この結果に繋がったと思います。山本選手からバトンを引き継いだ伊沢選手も奮闘してくれました。でも、今年は前半で厳しい戦いが続いたので、この結果に満足することなく、引き続き邁進していかなければなりません。鈴鹿でも勝利を意識した戦いをしようと思います。いい弾みがついたので、さらに躍進したいと思います。




山本尚貴選手
前半からプッシュして、ポジションを上げた状態で伊沢(拓也)選手につなげることしか考えていませんでした。それができて非常に良かったです。でも素直な気持ちとしては、17号車にHondaのトップを取られたことのほうが悔しい。そして同じくらい悔しいのが、トップ12号車に20秒超の差をつけられてしまったことでした。クルマだけの問題ではないでしょうけど、同じ土俵で戦うためにもまだ改善の余地はあるでしょう。第2戦の富士ではタイヤがバーストするなど、シリーズ前半は苦戦が続きました。でもこうして同じ富士で表彰台に上がらせてくれたHondaとブリヂストンのがんばりが、この結果に繋がったのだと思うので、みんなには純粋に感謝しつつ、これからもっともっとがんばらなければいけないと感じています。


伊沢拓也選手
レース序盤に山本(尚貴)選手がポジションを上げてくれたり、他のクルマが(トラブル等で)いなくなったりして、結果的に2番手でレースを周回していました。ペースとしては周りのクルマとあまり変わらず走れていたとは思うのですが、GT300の周回遅れ車両の処理のタイミングなどがあまりうまくいかなくて、最終的には17号車に抜かれてしまいました。Honda同士の戦いの中でこのような結果になったのは、悔しい。とはいえ、Honda勢として、このタイミングで2台が表彰台に上がれたのはチームはもちろん、(本田技術)研究所含め、このためにがんばってきたんだな、という気持ちもあって、ちょっとホッとしています。17号車には、今回の借りをまたの機会にしっかりと返したいですね。一方で、表彰台を見ればわかるとおり、日産勢にはまだまだ負けているので、ドライバー含めてしっかりとレベルアップしていかなければなりません。この悔しさをバネにしてがんばります。


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