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ROUND -8 2017 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL
序章
 11月11、12日、栃木・ツインリンクもてぎにおいてSUPER GT第8戦「MOTEGI GT GRAND FINAL」が開催された。今シーズンの最終戦にあたるこの大会で、No.100 RAYBRIG NSX-GTは6位から250km先のチェッカーを目指し、5位でフィニッシュ。ドライバーズランキング・チームランキング共に、ホンダ勢トップとなる7番手を獲得することになった。

ついに今シーズン最後の戦いを迎えたSUPER GT。開幕戦以来となるノーウェイトのマシンを駆り、最終章にふさわしいレースを披露したいところ。シーズン後半に入り、チームではいい流れの中で戦いを続けているだけに、万全の態勢で最終戦に挑もうと入念な準備をもってもてぎ入りを果たしている。

予選日の朝に行われた公式練習は、気温10度、路面温度12度という冷え込みを感じる中でスタート。No.100 RAYBRIG NSX-GTは、早いタイミングから上位グループに名を刻み、持ち込みのセッティングに手応えを得た様子。その後も微調整を進めつつ、伊沢拓也選手が1分37秒837、また山本尚貴選手も1分37秒902と揃って好タイムをマークした結果、2番手でセッションを終えて午後からの予選に弾みを着けた。


予選:
 穏やかな陽射しを受けて気温、路面温度とも緩やかに上昇。そんな中、午後2時20分からGT500クラスのノックアウト予選・Q1が始まった。今回、No.100 RAYBRIG NSX-GTのステアリングをひと足先に握ったのは、山本選手。しばしピットで待機していた各車両のピットに動きが見え始めたのは、残り10分を切ってから。同様にピットからコースに向かった山本選手はアウトラップを終えて計測開始、4周目にマークした1分37秒841がベストタイムとなり、僅差の順位争いの中で8番手につけてQ1突破を果たした。

Q2は午後3時5分にスタート。やや路面温度が下がる中、アタッカーの伊沢選手は早いタイミングでコースに向かい、ウォームアップを開始する。そしてライバル達と同様にタイムを削り取り、計測4周目に1分37秒713をマーク。ホンダ勢トップとなる6番手グリッドを手にすることとなった。
予選アタックを終えた両ドライバー。Q1アタックの山本選手は「午前中は調子が良かったんです。なので、その流れでクルマもセッティングをあまり変更せずにいきました。ただ、バランスが思っていたようなものではなく、朝の感じとは変わってました。Q1(のアタック)で落ちてしまったかなというくらい、バランスが大きく変わってしまいました。なので、Q1通過ができて良かったと思いました。また、さらに伊沢選手がポジションを上げてくれたので良かったです。表彰台に絡めるレースはしたいと思います」と、シーズン最後の戦いに向けて意気込みを言葉にした。

一方、Q2でアタックした伊沢選手。「朝のセッションからメニュー通りできました。前回のタイで予選が苦しかったこともあり、今回はクルマのセッティングの方向性も変えて準備してきたんですが、それが良かったかなと思います。Q1のアタックはものすごく僅差の争いでしたが、その中で山本選手ががんばって突破してくれたからこそ、Q2の6位に繋がった。このポジションまでみんなの力でもってこれたのだと思います。シーズンを通してちゃんとレベルアップしてきたことを見せることができたし、開幕戦では差があったライバルとの戦いもできている。結果以上にいい内容の予選だったと思います」と、手応えを得たセッションを振り返った。


決勝
 前日同様、決勝日を迎えたもてぎの朝は厳しい冷え込みとなったが、秋深まる中でも陽射しが届く恵まれた天気となった。ピットウォークやオールドライバーズアピアランスなどのファンとの交流イベントを経て迎えたウォームアップ走行。そこでGT300クラスによる接触があり、セッションが一旦赤旗中断になったが、決勝レースは予定どおり午後1時30分に幕を開けた。
予選と異なり、決勝レースで先にNo.100 RAYBRIG NSX-GTをドライブしたのは、伊沢選手。スタートドライバーとしてグリッド3列目から戦いに挑んだ。なお、今回はDTM・ドイツツーリングカー選手権車両の3台が来日し、SUPER GTのGT500車両との競演がデモランとして実現。決勝を前にしたパレードラップでは、栃木県警の白バイ、パトカーと共にDTM車両3台と、45台のSUPER GTマシンが勢揃いする華やかな一幕が見られた。

パレードラップ、そしてフォーメーションラップを経て250km、53周にわたる戦いの火蓋が切って落とされると、伊沢選手は後方のレクサス2台のハイペースに対し、惜しくもポジションダウン。8番手でオープニングラップを終えた。だが、上位陣も激しい攻防戦となり、接触などのアクシデントを連発。慌ただしい展開の中で、No.100 RAYBRIG NSX-GTは5位で周回を重ねていくことになる。前方との差をキープしたまま、レース折り返しを前に、前方の車両が1台、また1台とルーティンワークのピットインを開始。その中でNo.100 RAYBRIG NSX-GTは22周目にピットイン。山本選手へと交代し、併せて給油とタイヤ交換を行った。

9番手でコースに復帰したNo.100 RAYBRIG NSX-GT。前にはひと足先に作業を終えた同じNSX勢の17号車の姿が。タイヤが温まるとすぐさま山本選手は17号車を攻め立て、逆転のチャンスを狙う。ときにはサイド・バイ・サイド、抜きつ抜かれつの緊迫のバトルを披露した。そしてついに30周目には17号車を先行。実質4番手から表彰台獲得に向け、新たな目標を設定した。ところが36周目、突然エンジンが変調。一瞬ペースが落ちて加速が難しくなり、結果、17号車に先行を許すことに。

その後、幸いにして再びペースを取り戻したNo.100 RAYBRIG NSX-GTは、改めて17号車を猛追。しかし、レイアウト的に抜きどころの少ないコース上ではなかなか勝負に持ち込ない。0.3~0.5秒という僅差ながら、行く手を阻まれる形で周回を重ねることを強いられた。それでもなお山本選手は最後まで諦めずに攻め立てたが、最終的にはポジションは変わらず。わずか0.3秒の差で5位チェッカーを受け、今シーズンの戦いを終えている。今大会の結果を受け、No.100 RAYBRIG NSX-GTはドライバー、チームともに、ホンダ勢トップとなるシリーズランキング7位で2017年の戦いを終えることになった。


高橋国光総監督
 今日は、山本、伊沢両選手がとてもがんばってくれたと思います。一方で、クルマのポテンシャルとしては他メーカーのライバル達に比べてちょっと力不足という感じでした。振り返ると、このような状況がシーズンを通して続いたような感じがしますね。そんな中、うちは本当にドライバーがよくカバーし、それをスタッフが支えてくれたと思います。悔しい結果が多いシーズンとなり、ドライバーたちは不満が残ることも多かったかもしれません。チームとしてこの悔しさを忘れず、挽回できるようにがんばらないといけないですね。どういう状況にあってもアタックし続け、いいレースを心がけ、チャンスが巡ってくるように続けるだけですね。

レースでいい思いをするのは一瞬。逆にツラいほうが長いですが、最後まで諦めずに挑戦し続けることが大事だと思っています。最後になりましたが、メーカーはもちろんのこと、スポンサーの皆さんのご協力なしには我々は戦うことができません。それができることに改めて感謝し、支えてくださっている皆さんの思いに応えられるよう、今後も懸命にがんばっていきたいと思います。これからも応援してください。一年間、ありがとうございました。


山本尚貴選手
 ピットイン後、一旦17号車に抜かれたのですが、クルマのペースは良かったです。ただあまり決め手がなくて…。とはいえ、GT300クラスが絡んだタイミングで17号車の前にうまく出ることができました。単独で走っているときはペースも良かったので、前を行く38号車を追いかけていたのですが、突然エンジンに不具合が出て、全然加速しなくなりました。一瞬のことでしたが、その結果、また17号車に前に出られてしまいました。その後は頭を押さえられる形となってしまって、残念な結果となってしまいました。抜いて前を追いかけるレースがしたかったので、悔しさの残る最終戦になりましたが、仕方がない部分もあるし…。とにかく残念でした。

今年は、決して順調なシーズンではなかったですが、それぞれみんなががんばってくれたし、結果を残せなかったことが逆に不思議なくらいです。それが実力なのかもしれませんが、ドライバーを含め、みんなが真摯に受け止めて課題と今の悔しさをバネにして来年に挑みたいと思います。


伊沢拓也選手
 レース序盤で周りが荒れたこともあり、ポジションが上がったり下がったりする展開でした。その中で、レース終盤になってちょっとしたトラブルが山本選手のときに出てしまったのが残念です。ただ振り返って見ると、一年間を通して最終的にはランキングを上げることもできたし、なんとかシーズンを通してがんばった内容を結果として数字で出すことができたとは思います。一年間うまくやれたところもあると思う反面、色々と考えるところもありますが、シーズン最後のレースで、キチンとゴールして5番手という結果が残せたのは、いい締めくくりになったと思います。

 


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